卒業生の声

目標を明確に、勉強は入念に

東京農工大学 工学部

東京都立産業技術高等専門学校
僕は高専を卒業してすぐに大学に編入出来たのではなく、丸一年浪人した上で農工大に進学することになりました。特殊な立場にある身ですが、僕の経験を基に助言をさせていただきます。
僕が行った勉強法は「先に基礎を長い時間かけて固めて、応用問題と過去問題は後回しにする」でした。ただし、基礎がしっかり身に付いているなら、最初から応用問題や過去問題にいってもよいでしょう。ひたすら過去問題を解きまくる、というのも基礎が固まって初めて成り立ちます。だからまずは基礎をちゃんとしましょう!過去問題はそれからでも遅くはないです。
 僕が志望した大学では数学、物理と英語のような基礎科目が何かしらの形で必ず出題され、学校によっては論理回路や電気回路といった専門科目もありました。数学と英語はECCのスタート講座からずっと受講しつつ自分で問題集を解き、物理もまた、参考書やYouTubeを使って知識を整理しつつ、これもまた問題集を解いて勉強を進めました。専門科目は高専で学んだ内容がある程度身に付いていたので、参考書を読みつつその例題を解いていました、「先に基礎を固める」と言った通り、どの科目も(ケアレスミスは別として)問題集や参考書の問題を概ね完璧に解けるようになるまで何度も解いていました。
 基礎をしっかりと身に付けたと判断して以降は、志望校の過去問をひたすら解きながら問題集や参考書の問題を何周もしました。当然ですが、過去問も同様です。試験が近づいてくると、スマホのタイマーを使って本番の時間配分をシミュレーションしながら解いたりもしました。こうすることで、本番でどうやって各問題に時間を割り当てていくか、ということに大体の見当が付けられるので是非やってみてください。
 運動をしすぎると、オーバートレーニング症候群といって、却ってホルモンのバランスが崩れて体調を崩してしまうことがあります。身体の健康というよりは精神面の問題ですが、それと同じようなことは勉強でも起こります。勉強のやり過ぎで精神を病んでしまって、やる気を失うのは本末転倒なので、その前に勉強に疲れたら一旦勉強から離れて精神を回復させるべきです。趣味に興じたり、少し遠出してみたり、友達と遊んだりと何でも良いでしょう。
 僕は農工大に編入後はloT、制御理論か生体信号処理を研究する予定で、既に行きたい研究室は目星を付けていました。一連の受験勉強を通じて恩恵が大きかったのは、こういった研究のために必要な知識の基礎を整えることができたということです。数学の概念も、物理の現象も、英語も高専在学時とは比べ物にならない理解度になりましたし、勉強する習慣も身に付いたので、研究も前より上手くできそうです。
 高専生が編入学で浪人する場合、進学先が決まった瞬間から半年程度は時間が空きます。空いた時間をどう使うかは自由ですが、折角なので有効活用しましょう。大学や高専以上では1年の遅れは誤差ですが、使える時間は膨大です。だからこそ、空いた時間で周りに大きく差をつける、あるいは編入先の同級生に対する起爆剤になることが出来ます。折角浪人するのですから、こういった強みが生まれることも意識しましょう。
 皆さんも希望の大学で関心のある分野を学んだり、研究したりすることができるように頑張って下さい。その時は、受験だけでなく「その後」の研究や実社会での活動も視野に入れると良いでしょう。